遠野遥先生の『破局』を読了

先日、私の敬愛するBUCK-TICKのあっちゃんの御子息であると公表された遠野先生。

BUCK-TICKファン以外の世間様も騒然とさせたこのニュースがきっかけで、わたしも遠野先生の『破局』を購入して読んでみました。

家に届いてからすぐに読み始め、そしてあっという間に読み終えたわけですが、何とも言えない後味の悪さが堪らない作品でした。(褒め言葉ですよ!)

デビュー作の『改良』を読んだ時にも感じたのですが、わたしの大好きなスティーヴン・キングに通じる部分があるんですよね。
「全然違うよ!」という人もいるかもしれませんが、わたしは登場人物や動作、背景の細かい描写などに近いものを感じていて、『破局』を読み終えた後の後味の悪さでそれが決定的になりました。

わたしはスティーヴン・キングだと短編の『花を愛した男』の不気味な後味の悪さが大好きで傑作だと思っています。
『破局』を読み終えた後も同じような気分になりましたが、内容的には中編『ゴールデンボーイ』のほうが近いかもしれませんね。(優等生がちょっとしたきっかけで取り返しのつかない破滅に向かっていくところが。)

遠野先生の作品を読むきっかけは、当然のようにあっちゃんの御子息というニュースからですが、それと作品の評価は切り離すべきだと思って読みました。
しかしその意識に反して、性的な描写はやはりあっちゃん譲りなのか?と読んでいて思いましたね(笑)
ただ、描写がすべて冷めていて無機質に感じるあたり、あっちゃんとは違うなとも思いました。

デビュー作『改良』も今回の『破局』も分量が丁度良くて、早く次作が読みたいと思わされます。
BUCK-TICK云々は関係なく、これからも遠野先生の作品は読むでしょう。
余談ですが、遠野先生がエッセイとかでも淡々と無機質(そして物凄く細かい)なのはびっくりです。
多分自分のような日頃から他人に(ドラッグストアの店員にも)笑顔で接しようと心掛けているような人間は、遠野先生には嫌われるんだろうなあと思いながらエッセイを読みましたよ。

個人的にはラガーマンよりも倒錯的なほうが好きだったりします。

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