隠れた名盤ANGEL+DUST「& Romance」

ポップでキャッチーなセンス溢れる楽曲群

なぜ今ANGEL+DUSTなのか?と問われれば、ちょっと個人的な理由でなのですが、ちょうどこのブログではまだANGEL+DUSTには触れていなかったのでこれを機に書こうと思った次第。

本当はインディーズ盤の「サンクチュアリ」についても書きたいのですが、とりあえずまだ手に入りやすいメジャー流通の「& Romance」から。

「& Romance」は1998年12月16日、今はなきバンダイミュージックエンタテインメントからリリースされました。
会場販売されていたデモテープや、配布音源の楽曲も新たにレコーディングして収録したANGEL+DUSTの集大成的なアルバムです。
(リアルタイムで聴いていた当時は情報が全然なくてそんなこと知らなかったけど)

メインコンポーザーはギタリストのYU-JIさんですが、ボーカリストの弥生さんも、当時のベーシストMASAYAさんもドラムのITTOKUさんもそれぞれ曲を書いています。
そして全員の楽曲がどれもポップでキャッチーな歌メロで聴きやすい!
確か当時のインタビューで、歌謡曲的な歌メロで「ダサ古カッコいい」というのを狙っているというのを語っていたと記憶しているので、そういうバンドコンセプトだったんでしょうね。

よく「ボーカルが下手」みたいなことを当時聴かせた友人知人に言われていたんですが、恥ずかしながら当時のわたしは上手い下手という基準で音楽を聴いてなくて、自分が「好きと思うか嫌いと思うか」「カッコいいと思うかカッコ悪いと思うか」で聴いていたので全然そんなこと考えていませんでした。
今聴くと確かに歌唱力はちょっと弱いかもしれないですね。
(ライブのテレコは歌下手だなと思いましたが…!そしてYU-JIさんのほうが歌上手い…!!)
でも甘い歌声が魅力的で、スタジオ音源で聴くぶんにはわたしとしては問題ないと思います。

で、何よりANGEL+DUSTの楽曲で耳目をひくのがギターの伸びの良い音色!
エフェクトを多用していて、わたしとしては聴いていてとてもとても心地が良いんです。
(よくアンプ直が偉いみたいな風潮がありますけど、アンプ直はつまらんです。)
このアルバムの2曲目「追憶」(作詞作曲ITTOKU)のギターソロなんか最高です!アウトロのギターも最高!
ニューウェイブに影響を受けていて、ところどころにBOOWYや初期BUCK-TICKからの影響も見え隠れしていたりするような素敵サウンドです。
ちょっとジャジーな雰囲気の6曲目「Sweet Bad Life」(作詞作曲YU-JI)でも甘く伸びやかなギターサウンドを聴かせてくれます。

そしてANGEL+DUSTの楽曲の中でもYU-JIさん作詞作曲の楽曲では、ちょっと難解な歌詞や言葉遊び的な部分も魅力の一つです。
下記は10曲目「EDEN」の歌詞からの引用です。

心の中 手が届く者 演じた My Name Is Crown
心の中 窓を開く者 演じた A Wily Old Fox

ANGEL+DUST「EDEN」

これが2度目のサビでは「ココロ」というのが同じ響きでこう変化します。

「此処」 蝋燭立てた場所だね 想い出撫でて見る
試みても何も無いのに 求めるエデンの園

ANGEL+DUST「EDEN」

かなり捻ってますよね。
でも残念ながら今だにわたしには何をモチーフにした物語なのかがわかりません。
(EDENだしアダムとイブ的な何かなんだとは思うのですが)

ちなみにこの楽曲ではBUCK-TICKファンなら「おお?」と思う部分もあります。

「ウソでもいいから聞かせて」
初めて口にした言葉だった…

ANGEL+DUST「EDEN」

そう、「TELEPHONE MURDER」の歌詞にそっくり!
これはもうサウンド的にも初期BUCK-TICKに影響を受けているのは間違いないでしょう。

Amazonのレビューやネットで散見されるレビューを見ると、なんか勘違いされているなあと思うのですが、歌はともかくとして演奏レベルには難がないような気がします。
特に酷いのが水銀とかいう人のAmazonカスタマーレビュー。
技術が追いついていないからエフェクトで誤魔化してるみたいに書いてますけど、それはあんたの勘違いだよ!
このエフェクティブなサウンドがYU-JIさんのギターの魅力なんだよ!

ANGEL+DUST結成前に活動していたYU-JIさんのSPYの動画を見るとわかりますが、ライブでここまでエフェクトを多用した凄い演奏する人なのに技術が不足してるわけないだろ!
(途中でギターの弦切れてますが)

話は逸れますが、昨今のビジュアル系音源のレビューとかを見ていると明らかに当時聴いていなかったのに当時聴いていた風に書いているものが散見されます。
(ネットの嘘情報、間違い情報を元に書かれてたりするものがチラホラ)
そしてそういうのを読んでいると、どうもCDジャーナルのレビューに引っ張られて同じように書いているものが多いです。
(CDジャーナルのあの短文レビュー、適当すぎるものも多すぎません?)
知識ひけらかしたいのか、中立性・客観性みたいにしてるのか知りませんけど、なんか変に評論家ぶってクソみたいなこと書かないで、自分の好きなものをポジティブに下手でも良いから「自分の言葉で」書けば良いのになあって思うんですよね。
好きなものを好きだという気持ちで紹介して書いていると、もっと世の中良くなりますよ!

話が全力で脱線しましたが、僕はANGEL+DUST大好きです。
ANGEL+DUSTの次にYU-JIさんがやっていたバンドLOVE GLOVEも好きでしたし、近年はYOUTUBEに前述のSPYのライブ映像がご本人たちの手によってたくさんアップされていて、それも好きでよく聴いています。
(子どもとエフェクターについて語る際には凄い良い題材だし。)

このアルバムには収録されていませんが、「憎悪に近いパルス」という楽曲が好きなのでライブ動画貼っておきますね。

クソレビューに引っ張られることなかれ

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