「灰とダイヤモンド」が最高傑作たる所以
「今さら灰とダイヤモンド?頭おかしいんじゃねえの?」と言われるかもしれませんが、結構本気でGLAYとしての最高傑作は「灰とダイヤモンド」だと思っています。
(以前書いた通り思い入れが強いのはメジャー1stの「SPEED POP」なんですけどね)
まず何と言ってもドラムを叩いているのが、この時点での正式メンバーであるAKIRAであるというのが大きいです。
「SPEED POP」ではAKIRAが叩いてるものやスタジオミュージシャンが叩いているものが混在しているし、脱退して1年経ってから出たアルバムに元メンバーの叩いたドラムが使われているというのも…。
皆様ご存知の通り、メジャー2ndからは永井利光がサポートとしてドラムを叩いていますので、正式メンバーで全パートが揃っているアルバムはこの「灰とダイヤモンド」しかないのです。
サウンドやアレンジの面でも「SPEED POP」以降は、GLAY(というかTAKURO) with 佐久間正英という感じですが、「灰とダイヤモンド」では多少大人が絡んではいるもののまだバンドでアレンジしました!って感じのアレンジや、しょぼい(失礼!)音色のサウンドを楽しむことができます。
(特に「彼女の”Modern…”」のリフの音色がしょぼい)
「真夏の扉」はメジャーで出たバージョンとは構成が違って曲が長いですが、曲の完成度で言ったらメジャー版のほうが良いですね。(土屋昌己さん良い仕事しましたね!)
でもこのアルバムに収録されているバージョンも荒々しくて好き。
音のしょぼさや荒さが却って本物臭くて良いんですよ。
っていうかこんな暗い歌詞書ける20代の若者に驚きだよ!
わたしがこのアルバムで一番驚いたのは「ひどくありふれたホワイトノイズをくれ」の歌詞の暗さです。
やるせなさがあまりにもリアルで暗過ぎる。
そこら辺に溢れている(溢れていた?)「ダークで暗い世界観を表現した」ファッションダークなヴィジュアル系とはわけが違うのです。
夢破れたおっさんにこそドーンとくるこんなに暗い歌詞を書ける20代そこそこの若者はそうそういません。
(余談ですが、わたし的には「BEAT out!」の「軌跡の果て」、「pure soul」の「pure soul」が同じようなやるせない感に溢れた路線の曲だと思っています。)
他の楽曲にしてもとてもメロディが良く聴かせる楽曲ばかりなので、客と一体化してノッて楽しむぜ!という感じではありません。
よくこれで当時のライブハウスシーンから浮上してこれたなあ。
当時仲良しバンドだった堕天使とかはもっと勢いだけ、ノリだけって感じだったよね。
(歌詞も意味わかんないし)
「ヴィジュアル系をやりたかったのにその資質がなかったバンド」と言われてしまうのも納得です。
大人の手垢にまみれて超ビッグなバンドになったGLAYも良いけど、まだ原石と言える頃の作品もまた良いものです。
あまりいないと思うけど、GLAYが好きだけど「灰とダイヤモンド」は聴いたことが無いという人はぜひ!
94年に出たのが一番最初。