日本ロック界不動のカリスマBUCK-TICK
メジャーデビューから25年以上経った現在もコンスタントな活動を続けるロックバンドBUCK-TICK。
他のバンドが解散や活動休止したり、活動規模を大幅に縮小していたりするなかで、現在も変わらずにホールクラスのツアーができる人気を保ち続けています。
作品ごとに違った世界を見せてくれる彼らですが、デビュー当初は見た目だけのヘタクソバンドと言われていました。
わたしからすると、そこまで下手ではないように思うのですが、初期の作品にはスタジオ盤にもかかわらず明らかにミスをしている楽曲があります。
以下にその2曲を紹介していきます。
MY EYES & YOUR EYES(album「SEXUAL XXXXX!」)
3:43から3:45辺りラストのサビにおけるスネアの連打部分をよく聴いてみてください。
スネアの音に混じって「カチン!」とリムを叩いている音が聴こえます。
これは本人もミスをしたことに気が付いているのですが、このテイクの勢いが良かったのと時間も無かったので、敢えて録り直すことをせずにそのまま採用したそうです。
この楽曲は10数年後にリレコーディングされましたが、わたしはこのオリジナルのが好きですね。
CASTLE IN THE AIR(album「SEVENTH HEAVEN」)
曲全体を聴かないとわからないのですが、1:30から1:40辺りで曲の展開を間違えたため、ドラムロールが入る箇所が一部間違っています。
テクニック上のミスではないので、言われないと気付かないレベルです。
これはアルバムの制作期間がなさ過ぎて、出来た曲からすぐにレコーディングをしたり、曲の全体像を知らないままレコーディングした楽曲もあったのが原因だそうです。
時間が全然ないから後から気付いても直せなかったんだとか。
この楽曲はスタジオ版よりもライブ作品「sabbat」に収録されているバージョンのほうがテンポも速くてわたしは好きです。
ミステイクが収録された原因は制作時間が足りないから!
この頃のBUCK-TICKはアイドル的人気でブレイクしていたため、本当に超過密スケジュールだったそうです。
レコーディング作業をしながら、スタジオで色紙にサインをさせられたとかなんとか…。
89年初頭の今井寿の事件(LSD服用)で活動が一旦ストップするまで、十分なレコーディング時間が取れない状況が続きました。
そこにフラストレーションを感じていたバンド側が、「ミュージシャンとして良い作品を作りたい」という考えからレコード会社と話し合い、その後は納得のいく作品を作れるレコーディング時間を確保することができるようになったそうです。
とは言っても今井先生の作曲ペースによっては、結局レコーディング時間が足りなくなることも…。
今回紹介したこの2曲のミスですが、詳しいことは昔々「悪の華」の頃に出た「HYP」No.3に書かれています。
丸々一冊BUCK-TICK特集の雑誌で、メンバーそれぞれの興味深い話もたくさん載っています。BUCK-TICK好きであまり昔のことを知らない人は是非読んでみてください。
Amazonでは取り扱っていないようですが、天下のBOOK OFF様で安ければ105円で買えるのではないでしょうか。